2018年12月18日火曜日

CEDEC2018レポート 『アナザーエデン 時空を超える猫』におけるツール運営事例 〜開発ツールの運用で学んだこと〜

ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2018」にて行われたセッション「『アナザーエデン 時空を超える猫』における“ツール運営“事例 〜開発ツールの運用で学んだこと〜」の所感を今更書いていこうと思う。
セッション詳細
『アナザーエデン 時空を超える猫』における“ツール運営“事例 〜開発ツールの運用で学んだこと〜
資料
https://cedil.cesa.or.jp/cedil_sessions/view/1845

『アナザーエデン 時空を超える猫』とは

Wikipediaより引用。
『アナザーエデン 時空を超える猫』(アナザーエデン じくうをこえるねこ )は、Wright Flyer Studiosが開発し、GREEより配信されているスマートフォン向けゲームアプリ。2017年4月12日サービス開始。基本プレイ無料(アイテム課金制)。略称は、「アナデン」。
スマホゲームとしては広大なフィールドや凝ったイベントシーンが特徴的なアナデン。
比較的大規模なRPGを開発するためのツールをどのように運用・保守してきたか解説された。

リリースまではリリース最優先

多少使いにくくても人員移動は少ないため、とりあえずアセットを作るツールの制作を優先した

運営フェーズに入ったら誰でも触れるツールを作らなければならない

開発環境を構築できない

手順が固まっているはずなので手順書を作る。
  • 利用者に合わせて手順を分ける
  • 同じツールを使わないと利用者によって違うトラブルが起きる
  • 古い資料は消す
git-lfsが便利。
  • ブランチ管理がやりやすい
  • 差分が見やすい

Gitわかんない

インゲームエディタ内に環境最新化ツールを入れた。
  • GUIツールは重いしボタンが多くて混乱する
  • CUIツールは拒否反応を示す人がいる

再現環境が作れない(時間がかかる)

ユーザーデータの保存ツールを作成。
  • 他スタッフに共有可能にする
  • 便利な機能は先に作っておく
  • ゲーム中に保存、呼び出しできるようにする

フィールドを作るのに時間がかかる

Excel上で設計した道、壁、床などの情報を元に実際のゲーム情報を生成するツールを作成。
  • 元々はプランナーがExcelに入力したデータを手動でコンバートしていた
  • 使用者が今まで使っていたツール、やり方を踏襲する
  • 同期は取らずに最初の一回吐き出すツールとして限定(プロトタイピング)

デバッグメニューが多すぎる

アンケートでデバッグメニューをトップビューから移動。
  • トップビューにあるのが悪いだけなので一段下の階層に入れた
  • 一人でも使っていたら残す

ツールの改善のためには細かくコミュニケーションを取ることが大事

いきなりツールが大きく変わると…

  • 慣れている人から不満が出る
  • バグも大きくなり開発を止める危険がある
  • 方向性がズレているときに作り直すコストが高くなる

コミュニケーションを取ることで解決できる

  • 時々使っている様子を見る
  • 新しい機能について雑談する

使ってくれない問題を解決するには怖い、わからないを減らす

ドキュメント化することで知らないを減らす
  • 使いたいツールの機能を知る
  • どんなツールがあるのか知る
    • 思い出してもらうため全体MTGで話す
    • 更新履歴を書く
他にも…
  • ドキュメント、エラーメッセージに連絡先を書く
  • エラーメッセージをわかりやすく
  • 5W1H+どうやって直すかを書く
ツールから使用者にアプローチするパスをなるべく多く作った結果、不便と思ったことを要望リストに入れてくれるようになった。

まとめ

  • 社内でも開発ツールを作ったりしているのでためになるセッションだった
  • 効率化のために行動できるチームは素晴らしいと思う
  • 「使ってくれない問題」を解決するための行いは今も気をつけている
登壇者の奥村 典史さん、 西田 綾佑さん、ありがとうございました。

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